写真で見る「ある一本の木との出会い!(第2話)」
 2012年4〜11月
 
   春の陽気に誘われて田舎道をサイクリングしていたとき、ポツンと佇む一本の木に目が留まった。銀杏の木だった。
 落ち葉はあるが、実が落ちた跡はない。
 君は男の子なんだな。
 (2012年4月8日撮影)
 
  
   二週間経つと葉が出ていた。紛れもなく銀杏の木だ。
 よし、黄色の美しい姿になるまで見届けてやろう。
 そう思った。
 (2012年4月21日撮影)
 
 
 一週間しか経っていないのに、葉がこんなに大きくなった。
 なんだか、すくすく育っているって感じで、微笑ましい。
 ますます会いに来るのが楽しみになってきた。
 (2012年4月29日撮影)
 
 
 初夏を迎えて、ようやく葉が出揃ったようだ。
 木の形はすごく良くなったが、葉の色はまだ少し薄い。
 青春真っ只中って感じだな。
 (2012年5月26日撮影)
 
 
 真夏になると、葉の色がだいぶ濃くなっていた。
 梅雨の時期にはなかなか会いに来られなかったが、その間にうんと成長したということだろう。うん、うん。
 (2012年7月22日撮影)
 
 
 お盆を少し過ぎた頃、葉の色はあまり変わっていなかった。
 この日はなんと、木に近づくと枝が揺れだしたのである。
 俺のことがわかるのか?と思ったら、風が吹いているだけだった。
 (2012年8月19日撮影)
 
 
 さわやかな秋晴れの日、あちこちの葉が黄色に変わり始めようとしていた。そういえば、木の影も長くなってきたなあ。
 穏やかな日差しを浴びて、とても気持ちよさそうだった。
 (2012年10月21日撮影)
 
 
 遠くから見ると、ポツンと佇んではいるが、なんとなく孤高を感じた。
 そんな姿に惹かれているのかもしれない。
 (2012年10月21日撮影)
 
 
 秋も深まり、かなり葉が黄色くなってきた。
 離れて見るとわかりにくいが、確実に黄色くなっている。
 さあ、これからどんな色になっていくのだろう。ワクワク、ドキドキ。
 (2012年11月4日撮影)
 
 
 おおっ、美しい黄色になっているではないか。 
 まだいくらか黄緑色の葉があるが、それにしても美しい。
 しばらくの間、ぼーっと眺め続けたのだった。
 (2012年11月18日撮影)
 
 
 おおっ、さらに美しくなっているではないか。とても鮮やかな色だ。でも残念ながら、だいぶ散ってしまっていた。ということは、最高の姿は見てやれなかったってことか。ごめんよ。
 あ〜ん、たった一週間のことなのに・・・
 (2012年11月25日撮影)
 
 
 木の下を見ると、半分ぐらいの葉が力尽きて落ちてしまったかのようだ。
 枝にある葉も、落ちた葉も、色の鮮やかさは同じだった。
 (2012年11月25日撮影)
 
 
 別れを惜しむかのように、落ち葉の姿をしっかり目に焼き付けた。
 自然に散ったその姿も、それはそれでまた美しい。
 (2012年11月25日撮影)
 
 
 真下から木を見上げていて、思わず抱きしめたくなった。あ、君は男の子だったな。
 とにかく、美しい姿を見せてくれて、ありがとう。
 また会いに来るね・・・
 (2012年11月25日撮影)
 
 
 
 おわり